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相づちの会話管理機能―日中対照分析

林 淑璋(東京大大学院)

本研究は,会話分析における日中対照研究がまだ少ないことから,生の言語資料を使い,「相づち」の対照分析を通して,両言語の会話構造の特徴を明らかにしようと試みるものである.対話ペアにおける相づちの使用を考察し,発話権に関わる相づちの会話方向シフト機能と,人間関係を調整する待遇レベルシフト機能を分析する.

相づち詞は会話管理において,参加話者の情報の流れを管理し,対話ペア連鎖の位置によって会話方向をシフト(継続・交替・展開)させる.そして,人間関係の認知から,語形の選択(例えば,日本語の「うん」と「はい」)と使用頻度(例えば,中国語の「嗯ng」)で,適切な待遇レベルを維持させる.両言語ともに,相づちの言語形式には,基本形があって,その基本形から拡張できる性質をもっている.相づちの言語形式には,それぞれ基本的な機能を待っている.しかし,それらの基本機能を意図的に利用すると,情報認識と人間関係を調整し,会話の基本的レベルをシフトさせることが可能になる.

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