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ジッバーリ語における強調音の音響解析

二ノ宮崇司

ジッバーリ語(オマーンに分布するセム語)の強調音は、放出音や喉頭化音と言われるが、その実体については不明な点が多い。本発表の目的はジッバーリ語強調音 (破裂音系のものと摩擦音系のもの) の音響的特徴を調べ、それが放出音であるのか、喉頭化音であるのかを特定することにある。放出音の例としてアムハラ語の資料を、喉頭化音の例として韓国語の資料を解析した上で、ジッバーリ語の強調音と比較した。結果は以下の通りである。

①スペクトログラムからは、放出音であるのか喉頭化音であるのか特定できない。②語末破裂音の音圧は、放出音と類似している。それ以外の環境では、放出音とも喉頭化音とも言い難い。③当該子音の無音区間と非無音区間の時間長については、ジッバーリ語強調音は放出音の方に近い。

以上の結果から、ジッバーリ語の強調音は音圧と時間長から放出音である可能性が高いと考えられる。

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