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ロシア語イントネーションの音韻論的記述

五十嵐 陽介(東京外国語大大学院)

ロシア語の主要なイントネーション型を包括的に捉え記述するために,本研究は,Pierrehumbert らが発展させた自律文節理論的な接近法を援用して,従来のロシア語学の枠組みとは異なる簡潔な表示法を用いた解釈を提案した.この新しい枠組みでは,先行研究の認める全ての型を,音韻論的な2種類のトーン (H, L) の連続として,簡潔に記述することができる.また本研究には,先行研究ではその現象を記述するにとどまり,説明できなかった,いわゆる「イントネーションの中和」の現象を明示的に説明できるという利点もある.つまり「中和」(A, B という2種類の型が,ある環境で C という同一の型になり,その差異が失われる現象)とは,基底で存在するトーンが結び付く音節を欠くため,表層には現れない現象であると説明することができる.

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