Superiority, Crossing/Nesting and Feature Assignment

本発表では，英語における superiority ，あるいは crossing/nesting といった言語現象を Nishida et al. (2000, 2001) で提案されている Feature Assignment に基づいて説明することを提案した.

Nishida et al. では，ある主要部 A が解釈不可能な素性 [uF] を持っているとき，その主要部がもっとも局所的に c-統御する主要部 B にその解釈可能な素性の代価物 [F] を付与するとしているが，本発表ではこの考えをさらに発展させ，　[u + WH] を持っている interrogative C はもっとも局所的に c-統御している wh 句に [Focus] を付与し，Abe (2000) に従って，C 指定部に移動することによって照合されるとする．そのとき，nesting の例では最初に移動した wh 句にはすでに [Focus] が付与されているため，埋め込み節の CP-phase 内の wh 句に [Focus] を付与することになるが，phase のような経済性に違反してでも派生を収束させる例の一つとして捉えることで説明する．