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皮肉について

鈴木 高志(埼玉大非常勤)

この研究では,皮肉を「非難・侮辱などを意味する発話を避ける,という社会一般に認められたエチケットに表面上反することなく,非難・侮辱などの意図を伝える機能をもつ発話」というように,機能面から捉えることが重要であると論じた.

そして,日英語の例をもとに,上記の機能を果たすための方略をいくつか示し,伝統的な「反対語の使用」・Sperber & Wilson などの「エコー」・Clark & Gerrig の「見せかけ」などが,いずれも狭く限定され過ぎており,皮肉の本質を捉えたものではないこと,これらが上記の機能を果たすための方略の一つに過ぎないことを論じた.

更に,方略の大部分が,(1) 発話を故意に情報量不足にする (2) 話し手の思考に基づくものではない発話を用いる,の二つにまとめられること,皮肉が通常の発話に比べて心理的に高度な処理を要求する可能性があることなどを指摘した.

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