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日本語における短縮語形成とアクセント

田中 真一(神戸女学院大)

日本語の複合語短縮において,「テレホン#カード→テレカ」などのような,語末長母音短縮という現象がしばしば論じられてきたが,その一方で以下のような,略語形成とアクセントの関わりについては積極的に扱われてこなかったように思われる.
(1) a. なま#ちゅうジョッキ → なま˥#ちゅう (生中)
b. アルコール#ちゅうどく → アル#ちゅう- (アル中)

本発表では,上記の異なる型の分析を通して,とくに前部要素の形態情報が複合語短縮のアクセント形成に関与することを指摘する. (1a) は前部に形態素が形成されているため前部・後部の境界が意識されそこに核付与されるのに対し,(1b) は前部が外来語(の一部)であるため形態素が意識されず無核になる.この現象が,複合語・外来語アクセントにも共通するものであることを指摘し,略語アクセントの一般性を指摘する.

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