日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報

タラウド語における世代差・音声,音韻と語彙に関して

内海 敦子(日本学術振興会特別研究員)

本発表では,インドネシアのタラウド諸島で話されているタラウド語の世代間の差について報告した.若い世代は,タラウド語を話していると自ら認識しているが,インドネシア語と,そのマナド方言(北スラウェシ州の州都であるマナドの方言)の影響を大きく受けている.本発表では,音声・音韻の面と,語彙,形態的側面に焦点を当てて,両者の差を示した.若い世代の話者は,高齢の世代においては異なるものとされる音素を区別して認識できなかったり,使用頻度が高く重要と思われる接辞を語根から切り離して認識できなかったり,動詞のアスペクトの体系を一部失っていたりする.また,世代によって音形の意味的解釈に食い違いが見られる.若い世代が会話に他言語を多く交えること,高齢の世代の持つ形態的変化の体系を失いつつあることなどは,言語が死滅するときの変化と言えるのではないかと主張した.

プリンタ用画面

このページの先頭へ