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語法の観察に基づく結果構文再考
―構文の制約を中心に―

李 在鎬(京都大学)

本発表では語の配列から生じる,日本語の語法レベルの容認度のゆれから,結果構文の位置づけに関する考察を行った.考察の順序として,従来動詞の意味に軸をすえた状態変化動詞の制約に基づく分析では,充分に捉えられない事実があることを,現象レベルで報告した.そして,この事実をもとに次の論点を明らかにした.結果構文は本来,その名が示すように構文レベルで捉えるべき現象であり,言語事実の分布に関しても構文そのものの制約から,記述すべきである,と主張し,動詞とは別に結果構文そのものの意味的制約から問題を捉えなおす.その際,二点の特性として,時空間にセンシティブな点,参与者間の複雑なフォースの関係がある点を挙げ,実際のモデル化を試みた.とりわけ,Langacker (2002) におけるセッティング参与者モデルの改良版として,時間と空間を明確に区別し,その二次元スペース上に,個々の参与者を位置づけた.その上で,参与者相互のエネルギー伝達に基づく力学的関係から構文の意味を捉えた.そして,動詞の意味はベースプロファイルの観点から捉えた.最後に,本発表のモデルの妥当性を示すものとして,動詞と構文の可能な構造に関する問題を考えた.

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