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名詞に接続する「など」の意味・機能

陳 連冬(大阪大学大学院)

本発表は,「~など」の基本的な意味・機能とされる「例示」と「否定的評価」をめぐって,明治期と現代の小説の中の用例を比較したものである.量的に多い名詞に接続する場合に注目して考察した結果は次の2点である.

(1) 格助辞やとりたて助辞と共起する〈非単独用法〉は,明治期から現代にかけて見られ,特に同類のものごとの存在を複数の名詞によって明示される〈多項〉用法を中心に,「例示」の機能を果す.
(2) 〈単独用法〉は,明治期にはほとんどなく,現代に多く見られた. 〈1項〉の名詞に接続し〈否定述語〉で受けて,話し手の「否定的評価」を表す. ここで「例示」から「否定的評価」への発展,つまり,現実世界のものごととの関係を表す客観的な用法から話し手による主観的(主体的)な用法への展開が見られる.

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