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日本語に再帰構文は存在するか?

三浦秀松 ((University at Buffalo, SUNY)

サモア語における再帰構文の存否をめぐり学者の間で議論があるが、本発表では日本語にも類似の問題があることを指摘し、「*太郎は台所で自分を切った(てしまった)」のような文に見られる日本語の反局所性(antilocality)の問題を考察した。反局所性とは、再帰代名詞を単純他動詞文の目的語に用いて再帰表現を形成することができない現象で、様々な言語において報告されている。先ず、日本語の再帰構文に見られる反局所性はオランダ語などに見られる現象とはその原理が異なることを示し、次に、日本語の反局所性は、反換喩性(antimetonymy)に基づく(他)動詞の選択制限によるものであり、再帰構文や再帰代名詞そのものに起因する現象ではないことを例証した。さらに、日本語に見られるものと類似の現象が他の複数の言語(サモア語や韓国語など)でも見られることから類型論的パターンを形成している可能性をあわせて指摘した。

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