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英語の被害受身文と非対格性-機能的分析

行田 勇 (東京都立大学大学院)

英語において補文をとるhave は、「被害」の読みと「使役」の読みがあるが、そのどちらの解釈をとるかを決定する条件にはどのようなものがあるかという問題を検討した。

Harley(1998)等の先行研究では、主語と同一指標の語句が補文中に存在する(あるいは主語とのbinding 関係が成立する)と「被害」の読みになるとしているが、束縛関係はその必要条件にも十分条件にもなりえないという事実を指摘した。

その上で、高見・久野(2002)で提案されている機能的分析を採用し、次のような代案を提示した-英語の被害受身文は、その主語が、埋め込み文によって表されている事象により迷惑を被っており、その原因が主語以外の要素のせいであると考えていることを示すことである。

さらに、この現象は単に「被害」と「使役」という独立したものではなく、実はプロトタイプ的な関係として捉えることができると主張した。

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