「V-te 形 / V-tsutsu 形 + 助動詞アル」の構造
副島 健作 (琉球大学)
シツツアル (不完結相) ,シテアル (客体結果相) は外見上,接続形式(シツツ,シテ)と存在動詞(アル)との2 語で構成されている。そこで,本発表では「接続形の意味+存在動詞の意味→アスペクト形式の意味」となると仮説をたて,接続の形シツツ-シテの対立を明らかにすることで,その検証を試みた。具体的には以下の点を指摘した。
(1)接続形式シツツ,シテの一般的意味は,それぞれ主文述語の表す動作との《同時》関係,《継起》関係を示す。他の出来事との時間的関係と動作の流れの姿とは表裏一体の関係にあり,同時を示すシツツは動作の《不完結》な姿,継起を示すシテは動作の《結果》の姿を副次的に示す。
(2)アスペクト形式のシツツアル,シテアルの意味はシツツ,シテの意味に存在動詞アルの「そうした状態で存在する」という《継続》の意味が加わったものであり,アスペクト的意味は,その構成要素の意味・機能に動機づけられている。