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動詞テ形と連用形の使用差に関する計量的調査研究
―新聞・論述文・小説における語彙調査の結果から―

林 雅子(大阪大学大学院生)

 本発表は,動詞テ形と動詞連用形の使用差を明らかにするために新聞・論述文・小説の3つの文章タイプを資料として調査を行なった結果を報告したものである。文章タイプの差異はテ形・連用形の選択に関与するので、文章タイプに関わらずテ形或いは連用形に偏って出現するものを明らかにすることで、両形の使用差をより明確にすることを目指した。

 「全文章タイプでテ形に偏って出現したもの」には,連用形の時に一拍になるもの,機能語的表現,後続節に対する解説内容を示しているものなどの他に,副詞的用法のもの(「あらためて」「だまって」)があった。

 また、「全文章タイプで連用形に偏って出現したもの」には,「ある」「される」などの他に,副詞的用法のもの(「くりかえし」)があった。

 先行研究では「テ形の副詞化」が主に取り上げられているが,今後は「テ形の副詞化」と「連用形の副詞化」との違いについても研究していく必要があることを示した。

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