日本語等位ニ字交替漢語三分類の意味合い
―反対・矛盾概念の対比と中間概念の三層構造―
菅野 憲司(千葉大学)
本ポスター発表では、日本語における等位二字交替漢語を三分類し、その意味合いとして、哲学特に論理学の反対概念と矛盾概念を対比し、中間(概念)の三層構造を提示説明する。
等位二字交替漢語〔:漢字AとBに対して漢(字)語ABもBAも存在し更にAもBも主要部であるペア〕が、(1) 接点(例、青緑・緑青)・(2) 同値(例、早慶・慶早)・(3) 正反対(例、英和・和英)に三分類され、意味合いの第一に、(1) は青と緑がfifty-fifty の場合に青緑=緑青という中間(概念)である反対概念であり (3) は中間(概念)という余地がない矛盾概念である、という対比が言い尽される。
第二に、左側優先性原則〔:等位二字交替漢語において左側を右側より優先〕の適用性に応じて、中間(概念)(2) は(ⅰ)無適用の中核〔:早(稲田)と慶(応)がfifty-fifty〕・(ⅱ)選択的適用無しの内堀〔:第三者が早慶を使用〕・(ⅲ)選択的適用有りの外堀〔:早稲田側早慶で慶応側慶早使用〕と三層構造を成す。