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現代グルジア語の二種類の関係節

児島 康宏(東京大学大学院/日本学術振興会特別研究員)

 現代グルジア語には、関係代名詞を用いる関係節(関係詞関係節)と、小辞romによって形成される関係節(rom関係節)がある。関係詞関係節が制限的関係節としても非制限的関係節としても機能するのに対し、rom関係節は用いられる環境について意味的・語用論的な制約を受け、制限的関係節としてしか機能しない。

関係節の述語動詞は直説法の場合と接続法の場合がある。直説法のrom関係節は、既に定(definite)の対象について、聞き手がその対象を特定するのを助ける情報を提示するために用いられ、関係節の内容は聞き手にとって既知である。一方、接続法のrom関係節が用いられる場合は、先行詞が非指示的(non-referential)であり、その対象の存在を含意しない。どちらの場合も、関係節は先行詞の指示対象の範囲を限定しており、制限的であると言えるが、限定するレベルが異なる。

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