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事象関連fMRIによる語彙、統語、意味の脳機能マッピング研究

祐伯 敦史(立命館大学)
丸山 啓(同志社大学大学院)
中井 悟(同志社大学)

本発表は、言語処理についてのfMRI実験結果から人間の言語機能を脳内の領野と対応させるのを目的とする。実験で用いた刺激文は以下の4通り:(1) 正答:(2) 意味違反:(3) 統語違反:(4) 語彙違反。その結果、文処理は左下前頭回に、語彙処理は側頭平面や下頭頂小葉に、賦活を産むという傾向が観察された。意味処理に関しては、所謂ブローカ野よりも下側前方の左下前頭回に賦活が観察された。また、日本語の間接受動文と能動文を比較した我々の別の実験では、側頭平面での活性が見られた。側頭葉は、一般的に、意味処理を担うとされ、左下前頭回下側前方と共に意味処理を担っていると考えられる。

この結果と過去のニューロイメージング研究の結果を照合すると、語彙は左下頭頂小葉において認証され、統語構造は左下前頭回において構築され、意味関係は左下前頭回下側前方と側頭葉において計算されるという人間の大脳上の言語ネットワークが想定出来ることになる。

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