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第二言語習得における「排他的選択転移仮説」と日本語束縛の「多重パラメター」分析

石野尚
浦啓之

本発表では、日本語の3つの再帰代名詞(「自分」「自分自身」「彼自身」)は、其々が束縛領域に関して違う統語特性を持っていることを調査実験によって確かめ、その観察結果を受けて日本語母語(L1)話者が英語を第二言語(L2)として習得する際に中間言語文法において英語再帰代名詞の統語特性をどのように理解しているかという問題に対して、UGに基づくL2習得理論の枠組みによる理論的分析を与える。具体的には、3つの再帰代名詞のうち「自分自身」の統語特性を排他的に選択し、英語再帰代名詞にあてはめて理解しているという仮説(「排他的選択転移仮説 (Exclusively Selective Transfer Hypothesis)」と名付ける)を提案することによって、日本語母語話者の英語再帰代名詞のL2習得に関する従来の研究に見られる理論的不備を克服し、実験結果に整合的な説明を与えることが可能となることを示す。

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