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高い位置の副詞表現の相対的位置関係とガ格主語の解釈について

藤巻一真

副詞の統語上の位置に関してその語順制限等から詳細な研究がCinque(1999)でなされている。日本語に関しては、野田(1984)、Ueda(1993)、Endo(2007)において副詞間の語順制限が観察され、それらの位置が議論されている。本発表では、高い位置の副詞表現(副詞、副詞句及び副詞節)を用いて、ガ格主語の位置とその意味解釈について考察する。先ず、高い位置の副詞表現の中でも高い位置にあるとされるspeech actの副詞表現(例えば「正直言うと」)とガ格主語の相対的位置関係がガ格主語の解釈に関係し、高い位置の副詞表現の左にガ格主語がある場合は久野(1973)のいう「総記」のみの解釈が可能である一方、その右にあるときには「中立叙述」の解釈も可能であることを例示する。そしてこのことから副詞表現の位置が特定されていると仮定すると意味解釈に連動したガ格主語の位置が統語上少なくとも2カ所はあるべきであると論ずる。

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