韓国の江原道 (Gangwon-do) 方言は,地理的に慶尚道 (Gyeongsang-do) と咸鏡道 (Hamgyeong-do) の中間に位置し,主として多型アクセント地域として分類できる慶尚道・咸鏡道のアクセントおよびそれらのアクセント変遷をたどるにあたって非常に大きい意味をもつと考えられるが,その実態は十分に明らかにされてこなかった。本発表は,江原道諸方言について今までの調査に基づいて考察を行う。具体的には,(1) いくつかの方言のアクセント体系とその特徴 (2) 諸方言からみるアクセント変化とその特徴 を主として,これら 2点について他方言も考慮に入れながら考察する。