統語解析器の再分析における処理の選好性について

大石 衡聴 (九州大学大学院)
安永 大地 (九州大学大学院)
坂本 勉 (九州大学)

 解析器の再分析処理における選好性について検討した先行研究では,解析器は再分析の際,初分析で構築した構造を極力保持した形で構造を再構築すると主張されている.これに対し本発表では,解析器は再分析の際,再分析のトリガーとなった語(エラーシグナル)を解析木に付加するための最大投射の節点の数が最も少なくなるように構造を構築するという Error Signal-based Revisions Principle (ESRP) を提唱した.さらに本発表では,先行研究で報告された実験結果および本研究の実験結果がESRPによって適切に説明できることを示した.