電子通信手段の発達に伴う、メッセージを数える助数詞の変化
飯田 朝子 (中央大学)
1996年から2004年にかけて、日本の電子通信手段は著しい発展を遂げ、それに伴って電子的に交わされるメッセージ(ポケベルのメッセージ、パソコン・携帯メール)を数える助数詞の選定にも変化が現れた。本発表では、毎日新聞CD-ROM『CD-毎日新聞』に収められた約計55万件の記事全文を検索し、電子メッセージを数える助数詞の変遷と通信手段の普及度との関連を探る。
電子的通信手段の普及度が上がれば上がるほど、受信者がどのようにメッセージを捉えるかによって助数詞の選定が影響を受けることが分かる。メッセージが通信相手との双方向性を持つコミュニケーションを促すものであるのかどうか、あるいは相手とのコミュニケーションを前提としない一方的に送り付けられたものであるかどうかの判断が、助数詞の選定の要となるためだ。電子通信手段の普及率が約75%を超えた時点で、助数詞使用が拡大する傾向があることも指摘する。