日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報

アパブランシャ語自動詞文における能格性について

山畑 倫志 (北海道大学大学院)

中世インドで用いられたアパブランシャ語はインド語史の中で初めて明確に能格性を有するようになったとされている。しかし、アパブランシャ語の能格は他動詞のみではなく自動詞の項においてもしばしば確認される。そこでPaumacariuを中心とする資料から能格と結びついた自動詞文を採取し分析した。それにより以下のことが明らかになった。

非能格動詞は能格をその項とする文が見られるが、非対格動詞にはみられない。よってアパブランシャ語における能格の出現には動詞の自他の区別よりも、外項を持つ動詞であるか否かが不完全ながらも条件となっている。そのため、格表示の体系は単純に能格―絶対格のみではなく、活格―不活格の要素も混合していると考えられる。近代インド諸語にも見られるこの特徴が中期インド語の段階で既に見られることが確認された。

プリンタ用画面

このページの先頭へ