本発表では, チベット語アムド方言の談話テキストにおける, NI節による従属構文 (動作連続や付帯状況を表わす) の統語的な特徴について論じる. 具体的には, 1)従属節と主節中の動詞の自他の違いに関する組み合わせ, 2)従属節と主節中における名詞句の (非) 同一指示, 3)同一指示する場合の指示パターン, 4)名詞句の節中における表示パターンを考察する. その結果は以下のようになる.
[1] 従属節と主節中の動詞が他動性に関して一致する傾向が見られる
[2] 従属節と主節中の名詞句の同一指示率が高い
[3] 全ての例で主語 (S, A) を同一指示している
[4] 同一指示名詞句の表示パターンは, 主語に関しては - - と + - のみである ( +は表示, - は無表示)