本発表では,韓国語ソウル方言の音調がさまざまな環境の中でどのように実現されるかについて考察を行なった。その結果,言い切り形と接続形の区別があり,前者は必ず低く終わるのに対して,後者は高いまま続くという特徴によって区別されていること,また,両者ともに語頭の音調には分節音が関与しており,強子音語であれば語頭音節は高く現れるが,弱子音語の場合,語頭音節の高さは不定であることなどを明らかにした。