動詞右方に生起する英語状況副詞句の配列条件を的確に反映する句構造として,Ernst (2002) による同副詞句を VP の右方に付加する方式(以下,「VP 右方付加論」)を支持しながら,1) 状況副詞句の主観的/客観的解釈,2) 束縛原理が関与し,かつ修飾関係の解釈が可能な状況副詞句が隣接する現象,及び 3) 状況副詞句の「重量」(Weight),に着目することで生じる3つの問題点を解決すべく,以下の構造及び,副詞の<様態性>に基づいた状況副詞句の「重量計算」の方法を提案することにより,「VP 右方付加論」を補強する修正案を提出した。
(1) ...[PREPP [PP1 XP] [PREP’[PREP [VP2[VP1 do nothing][PP2 YP]]]]]
(XPは,主観的状況副詞句,PREPPは1つ以上の状況副詞句の最大投射)
(2) ...[PREPP [PREP’ [ModP [PP1 about XPi][Mod’ [Mod] [PP2 in YPi’s houses]]]]]
(Mod=modification, XP=these people, YP=each other)