補助動詞「おく」の非意志的用法の3構文―地理上の分布と文法体系内でのつながり―
山部 順治
本発表では,補助動詞「おく」の非意志的用法(いずれも非標準語的)のうち,(1)~(3)のような非情物主語の3構文を扱う。(1)と(2)は「おく」の補部の事態を望ましいものとして提示する文で,うち,(1)では「おく」の補部が肯定,(2)では否定である。(3)は,逆接の文である。
- 明日の朝は熱が下がっとけばいいけど。‘熱が下がってれば’
- 雨がひどくならんとけばいいが。‘雨がひどくならなきゃ’
- あんな事故が起こっておきながら対策を講じない。‘起こっていながら’