韓国語統営市方言のアクセント体系

姜 英淑

本発表では,韓国慶尚南道の島嶼部の竹島(Jukdo)・欲知島(Yokjido)を含む統営市(Tongyeong-si)方言のアクセント体系について考察する。
本発表では,以下の点を考察する。まず,語声調のみが対立する体系(早田1999[1976]),もしくはアクセント核の有無とその位置が対立する体系(姜2004,孫2007)と解釈される先行研究とは異なり,アクセント核と語声調を兼ね備えている体系であることを主張する。
次に,性質の異なる2つのアクセントは複合名詞の規則にも反映されることを明らかにする。最後に,複合名詞の規則により生産される4音節以上の語の中には,表層では区別されないが,基底では区別があると捉えられるものがあり,表層と基底のアクセント体系が異なることを新たに提案する。