「結果状態」を表す韓国語のテンス・アスペクト形式-ess-と-e iss-の使い分け

崔 栄殊

一般的に韓国語では-ess-という形式は過去を表し,-e iss-という形式は結果状態を表すとされている。しかし,結果状態を表す状況において両形式が共に自然に使用できる場合がある。本発表では,このような状況における-ess-と-e iss-の使い分けの仕方を明らかにすることを目的とする。またその際,話者が特定の場面をどのように評価するかといった認知の仕方に注目してその解決を試みる。

具体的には次のことを主張する。

-ess-:
モノの「恒常的」属性の変化を話者が認識したことにより,当該のモノに対する話者の既存の知識と矛盾が生じた場合に使用される。
-e iss-:
単なる場面描写に使用される。
また,-ess-だけでなく-e iss-にも意外というニュアンスが生じる場合があること等,先行研究では十分に扱われてこなかった様々な現象を指摘し,それらの例文に対しても自然な説明を与えられることを示す。