このアプローチは,聴覚よりも視覚に長じた日本人の認知的特性や日本語の特性を活かして,ストレスなく外国語のコミュニケーション能力を身につけるために,[文法]よりもことばの[意味・機能]に焦点を当て,誤りの訂正よりも,意味の伝達を重視する。
また,このアプローチは,教師と学習者を対等のレベルに位置づけ,学習者のL1(第一言語,母語)とL2(第二言語,目標言語)を共に学習に不可欠なものと見なし,学習上の特定項目におけるL1とL2相互の了解を教師と学習者相互の合意形成と同様に重視する。
さらに,このアプローチは,学習上の類似項目の明確な識別を強調するとともに,L1とL2の表現上の相違を了解させ,両者の発想法のちがいに気付かせる[発見学習]にもとづく場面シラバスを採用している。つまり,ことばの音声と意味と場面のマッチングを目指す,いつでも,どこでも,誰でも参加できる民主的で環境にやさしい学習法である。