下記の例の様な敬語を「所有者敬語」と呼ぶ。
(1) 全体としては,陛下のご様子は落ち着いていらっしやる。
(2) 天皇陛下のご体温はもとの状態に戻られました。
(3) 陛下のご体調はお弱りになっている。
(4) お体が弱っておられる。
(5) 。。。内臓が大変お強いようだ。
所有者敬語が適格であるかどうかは,所有物の種類による。具体的には,所有物が下記の様な所有傾斜で高いほど,所有者敬語は自然であり,低いほど不自然である。
(6) 所有傾斜:
身体部分 > 属性 > 衣類 > (親族) > 愛玩動物 > 生産物 > その他の所有物
実は,この所有傾斜は日本語の所有者敬語以外の所有に関する表現や,他の言語の所有に関する表現にも反映している。詳細は下記の文献を参照されたい。