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時間のメタファーにおける移動様態動詞の制約

篠原 和子(大妻女子大/国際基督教大)

日本語と英語の時間のメタファーのうち,TIME IS A MOVING OBJECT においては,移動様態動詞に厳しい制約がある.英語168,日本語77の移動様態動詞について,このメタファーにおける適格性を調べ,それらの動詞の意味的含意を分析した結果,肯定的要因として「速さ」「観察者に気づかれない動き」「一定のなめらかな動き」「規則的に繰り返す動き」があり,否定的要因として「四肢の動き」「移動手段」「音の発散」「上下またはランダムな動き」「特定の移動付帯状況」「複数の移動物」等が挙げられることがわかった.「四肢の動き」は,肯定的要因の存在によってその阻害能力を失うが,他の否定的要因は,動詞がこのメタファーで用いられることを阻害する.これらの要因は,我々の時間概念の特徴(一次元,身体を持たず,抽象的なもの)に合わないものが排除されると考えることによって説明可能である.

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