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ケチュア語クスコ方言における「部分的な一致」

蝦名 大助(東京大大学院)

ケチュア語クスコ方言では,主語と目的語の人称と数が,動詞において標示される.人称は目的語が3人称の場合を除き必ず標示されるが,数は必ず標示される訳ではない.これは以下の2点に分けて考えることができる.

i) 主語と目的語が両方とも複数の場合は,動詞においてどちらか一方が複数であることしか示されない.これは,複数接辞には -ku-chis の2つがあるのに対して,1つの動詞形には複数接辞が1つしか付かないためである.

ii) 主語が3人称複数の場合,その複数は動詞において随意的に標示される.主語あるいは目的語が,1人称複数 (excl.) か2人称複数の場合には,動詞において複数が義務的に標示される.なお,目的語が3人称複数の場合,その人称も数も標示されない.

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