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構文の決定要因に基づくフランス語の代名動詞の用法分類

萩原 幸司(パリ第III大学)

フランス語に於て,代名動詞の各用法に関する従来の記述は分類に論理的な一貫性がなく,文法理解や言語教育に有益な情報とはなっていない.本研究では,代名動詞の生産的な用法である相互的,再帰的,中立的,受動的の四用法について,主語が担う意味役割とそれ以外に意味解釈上必要な要素をも含め構文として考察し,隣接関係にあると考えられる構文間の差異と連続性を分析して,各構文を決定要因に基づき分類することを試みた.

代名動詞による各構文は,動作主と被動者との微妙な関係を考慮した表現であると考えられる.意味論的には,相互構文,再帰構文,中立構文,受動構文がこの順にそれぞれ隣接関係を持つと理解出来る.また,主語の意味役割が構文を決定する上で第一の要因であり,主語であってもそうでなくても,動作主に関する理解が被動者に関する理解より重要な情報であることも分かった.

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