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バスク語アスペイティア方言の《[+ERG [-ABS] 助動詞 du 活用》の構造に現れる動詞

吉田 浩美(東京大大学院)

バスク語の助動詞の「du 活用」は,助動詞の活用にかかおる三つの格(絶対格,能格,与格)のうち,能格(「主体」を表す)と絶対格(「対象」を表す)に呼応する活用で,能格の NP と絶対格の NP が考えられるときに現れるのが普通である.しかし,絶対格の NP が存在せず,能格の NP しか考えられないときにもこの活用が現れることがある.その際に共起する動詞は,バスク語アスペイティア方言ではおよそ100を数える.これらの動詞は,激しい動き,激しい変化,徹底した様子を表すもの,あるいは動詞が表す動作自体「対象」を含む感じのものである.本発表では,こうした動詞では,動詞の表す内容が「動作+対象」のように捉えられているとし,直接働きかける「対象」ではないにしろ,何らかの「対象」のようなものに「働きかける・影響を及ぼす」ような動作を表すという意味的共通性を持つと解釈した.

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