満洲語において green と blue の区別はないと一般的にいわれている.文献を読む限り niohon には光や空間,透明感や密度の低さなどを感じる.本発表は特徴的である「密度」という観点を利用し,同じアオ系統である niowanggiyan と niohon にはどのような使い分けがあるのかということについての一考察である.本発表の結論は以下の二点である.
この結論により色彩語の体系と干支の体系の関連性や,借用語の説明がしやすくなるという利点をあげ,その有効性を主張するものである.