Face 行為理論による韓国語の「依頼・断り」の分析
曺 永湖(東義大学校)
本研究では,語用論で提案された face の概念を再定義し,face 行為規則を仮定することによって,韓国語の「依頼・断り」の発話行為における face の役割,会話参加者の心理的なコンフリクトを解明することを目的とする. このために,発話場面を設定し,そこでの発話が韓国語母語話者によってどのように評価されるのかを調査し,考察を加えた.
その結果,(1) 依頼行為の場合,聞き手偏は「理由説明」「代案要求」の方略が FTA を中和する重要な要素として機能する,一方,話し手側は「理由説明」「代案要求」「言いよどみ」のような方略が FTA の中和するために機能する.(2) 断り行為の場合,聞き手側は難度が低い場合は「理由説明」,難度が高い場合,「延期型」が FTA の中和する方略として用いられる.一方,話し手として実際に断る場合には「謝罪表現+断りのみ+ mitigator の使用」のようにストレートなタイプを用いている.