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文法形式の多義性と論理関係

斉藤 学(九州大大学院,京都大大学院特別研究学生)

本発表では,一見互いに無関連に見える用法を持つ文法形式「よう(だ)」について,補部に X をとり全体で「X の必要条件」を返す関数として定義が可能であることを示した.

  1. [比況] 彼女は(まるで)天使のようだ.
  2. [推量] (どうやら)雨が降ったようだ.
  3. [目的] 留学できるようにお金をためた.

比況・推量を表す「X ようだ」は,文の意味としては共に X の必要条件が成立することのみを表すが,それぞれが使用される文脈下で「X だ」または「X のようでもあり ~X のようでもある」と述べず「X ようだ」と述べるところからグライスの量の原則の適用を受け比況・推量の用法を持つ.目的を表す「P ように Q」は,概略「Q により P の必要条件を満たす」ことを表すが,これが目的行為という概念的性質に一致し目的用法を持つ.

また,本研究で示したアプローチの他の文法形式への適用の可能性についても示唆した.

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