本発表では,現代日本語の評価的文副詞の「も」を取り上げ, 【1】この「も」は,「も」全体の中では例外的なものとして扱われる傾向にあるが,その歴史からみると,「も」の「話者がそれだと言い切る(それ以外のものを排除する)ことを避ける,すなわち,それ以外の可能性もあることを含意する」という本来的な意味から出てきたものであり, 【2】近代に入ってから,その本来的な意味が薄れ,文副詞を示すマーカーとしての機能へと変化したこと,すなわち,「も」の機能が,助詞から接尾辞へと変化したことを主張した.