本発表では,デンマーク語のストレスアクセントの新解釈を提案する.
多くのストレスアクセント言語と同様,デンマーク語も,語における主強勢の位置は,音節量から予測可能とされてきた.これに対し本発表では,1)例外が存在する点,2)アクセント規則の基盤をなす音節量の規定に主強勢の所在を持ち出す点で,論理的に問題があることを指摘し,主強勢のの位置は音節量から導くことができず,語ごとに決まっていることを明らかにする.
続いて,主強勢の現れ方を音節数ごとに見ていくことで,語は長さに関わらず,語末から数えて三つ目までの音節のいずれかに主強勢の現れる三つの型のみを有することが明らかとなり,ここからデンマーク語のストレスアクセントを3型アクセント体系と結論づける.この解釈は,五音節語にも三つの型のみが存在することから,その妥当性が確認される.