文法書では、「疑問詞+かどうか」は間違った表現とされているが、日本語を母国語とする言語学者の中には、例えば、「ジョンは[マリーが何を買ったかどうか]誰に尋ねたの?」を正しい表現と見なす人もいる。本発表では、アンケート調査を実施し、疑問詞と「かどうか」が共起する文がどのような場合に容認可能となるかを探った。アンケートの結果を元に、以下の主張を行った。(1)疑問詞と「かどうか」がclause mate / sisterでない(と解釈される)場合は容認される可能性が生じ、clause mate / sisterである(と解釈される)場合は容認されにくい。(2)疑問詞と「かどうか」の間の階層差が大きい程、容認度が上がる。また、「Pかどうか」の「かどうか」が[Pか、そうでないか]を除く〈Pが確定事項でないことの表示〉として捉えられている場合には、「疑問詞+かどうか」が容認される可能性が生じることを論じた。