日本語を母語とする子供のWH-QP・QP-QP scope interactionの習得について

山腰 京子(専修大学)

本発表では、日本語を母語とする4歳台から6歳台の子供28人に行ったWH-QP/QP-QP scope interactionに関する実験の結果を報告した。WH-QP scope interaction の場合に大人では容認されないpair-list reading を子供は誤って容認してしまう。しかしQP-QPscope interaction の場合には、大人が容認しないinverse scope readingを子供が高い割合でrejectできている。この結果は子供がscope interactionに関する統語的知識を持っていることを示唆していると思われる。また子供がWH-QP scope interaction の際にinversescope readingを誤って容認するのは、「WH+も」という普遍数量詞に関する理解が子供にとって困難であることに起因するのではないかと指摘した。