パソコンを用いた言語地図重ね合わせの手法とその展開

福嶋 秩子(県立新潟女子短大)

 言語地図はそれぞれ分布が違うものの、共通の分布傾向をもつことがあり、それを整理することで言語変化を跡づけることができる。発表者は、パソコンを用いての地図化において、各調査地点で共通の言語特徴を数えて得点化し、それを言語地図上に表すという重ねあわせを行ってきた。この方法は多数の項目の重ね合わせに適しているものの、個々の言語特徴の分布は見えにくくなる。本発表では、複数の言語地図そのものを画面上で重ね合わせるという手法を紹介する。一つは、同種調査(違う年度の調査等)のデータを統合するために、同じはんこ指定を用いて繰り返し描画するというものである。また、この手法を発展させたものとして、同じ地域において行われた異なる調査(古い調査と新しい調査等)の結果を同じ地図上に示して比較するための、色調を変えての重ね合せがある。同じ地図上に示すことで、よりクリアに言語変化の様相を捉えることができる。