英語のwhen 節は通例、主節との共時性を示し主節の時間を指定する機能を持つ。しかしwhen 節が主節のあらわす事態よりも常に後続する事態をとるものは「語りのwhen 節」と呼ばれ識別されている( e.g. I was sitting in the kitchen when suddenly the dog came in. )。先行研究の時間構造分析では、問題の所在として(1)なぜこの構文の節のアスペクトに許容されるものとされないものがあるか、そして(2)語りのwhen 節の意味機能である連続性の二点を捉えられないと指摘した。
本論では観察される相特性の一定性を、この構文が慣用表現ではなく生成メカニズムが働いている証拠であると捉えた。相の備える境界性(±bounded)に着目し、「語りのwhen 節は主節の状況に境界/終点を与える」という新たな一般化を仮定して、語りのwhen 節の意味表示を提案した。