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疑似部分構造に生起する数量詞的名詞について

朝賀俊彦

本発表では、文法の並列モデル(parallel architecture)の枠組みのもとで、[Det N1 of N2]の形式を持つ英語の疑似部分構造において、N1は名詞の統語構造と数量詞の概念構造に対応する語彙項目であるとの分析を提案する。この要素は、数量表現の数量詞に相当する意味的機能を果たす一方で、再分析では捉えられない独立した名詞としての統語的性質を示す。N1のこのような特性は、N1が統語的には名詞であり、意味的には数量詞に対応することの帰結として説明される。

また、通言語的には、オランダ語などに見られる[Det N1 N2]という形式を有する直接部分名詞句構造(direct partitive construction)は、英語の疑似部分構造に相当する表現であるとされる。本発表では、両者を基本的に同一の概念構造に異なる統語構造が対応するための変異として統一的に捉える分析を提示する。その上で、数量詞と名詞との間に位置づけられるN1の中間的範疇としての特性に基づき、疑似部分構造に見られるこの変異について考察する。

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